前編では近年の大学入試傾向について、後編では高校選びの目安について解説しています。
【評定平均の重要性】
近年の大学入試傾向から考えると、高校の評定平均の重要性は大きくなっています。なぜなら、学校推薦型選抜で受験する際に、評定平均の基準があったり、評定平均が点数化されたりするからです。評定平均とは、中学で言うところの通知表の5段階評価のことです。高校でも各科目5段階評価で、その評定を平均したものを大学受験では使います。注意点としては、高校1年生の1学期の評定から計算されるということです。愛知県では、高校入試の際、中学3年生の通知表のみ評価されます。しかし、大学受験では高校1年生の時の成績から計算されます。つまり、学年が上がるにつれ、評定平均で逆転することは難しくなるということです。高校入試を終えて、1年生時に一息ついていると、3年生でいざという時「評定平均が足りない」となっている生徒も多々います。
【高校の選び方】
高校選びの際に気を付けるべき点は、高校入学後に評定平均を確保できるかという点です。目安としては、評定平均4.0以上で、最低でも評定平均3.5以上は欲しいところです。いざ大学入試で学校推薦型選抜を利用しようとした場合、このあたりの数字が目安になります。ちなみに高校の成績だと、評定1は留年となるため、評定は2以上となります。つまり、評定平均3.5がちょうど真ん中の数値となります。
また、国公立大学や難関私立大学受験を考えている場合には、高校ごとの大学進学実績をよく確認する必要があります。目安としては、国公立大学合格者数の合計が50名以上です。近隣の国公立大学進学を目指す場合、名大・名工大・名市大・愛教大・県立大・豊橋技科大・岐阜大・三重大・静岡大などの合格者数の合計にも注目する必要があります。高校入学後は、これらの合格者数の合計を参考に、学年順位の目標を設定していくと良いでしょう。
評定平均と進学実績のどちらを重視すべきかについては、評定平均の確保を重視したほうがリスクが少ないです。進学実績を重視すると、評定平均が確保できずに、受験方式の選択肢が狭まる場合があるからです。もちろん、バランスが大事なので、現状の成績との相談にはなります。
私立大学の指定校推薦を狙う場合は、希望の大学・学科の推薦枠がその高校にありそうかを事前に調べておく必要があります。ただし、正式な推薦枠の発表は、高3の2学期となるので、事前情報は参考程度に考えてください。基本的に大きくは変わらないですが、年によって推薦枠の増減があります。狙っている大学・学科によりますが、指定校推薦は1枠の争いにもなるので、常に評定平均を意識して、定期テストで学年上位を目指していく必要があります。
また、近年では、大学付属の高校の人気が上がっています。様々な要因が考えられますが、一番は自身の進学先のイメージがしやすいことだと思います。進学先の大学に、自身の希望する学科があれば、大学入試のリスクを最低限に抑えて、希望の進路に進むことができます。ただし、希望する学科によって成績の基準が決まっているので、引き続き定期テストの勉強は頑張っていく必要があります。
【最後に】
高校進学はあくまでも通過点であり、ゴールではありません。大切なのは次にどうするかということです。自分自身の進路についてよく考え、よりよい選択をしていくことが重要です。また、高校入試はある程度の目安ですので、うまくいかなかったとしても大学入試で挽回できます。引き続き努力をしていくことが何より必要なことです。