前編では近年の大学入試傾向について、後編では高校選びの目安について解説しています。
【近年の大学入試の傾向】
まずは前提として、近年の大学入試傾向についてです。私立大学入試では、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(いわゆる推薦入試)による合格が増えています。一部の大学では、推薦入試等で定員を確保しているため、一般入試の難易度が上がっています。
※高校入試でも同様の傾向があり、一部の私立高校の一般入試は年々難しくなっています。
【総合型選抜とは】
総合型選抜は、エントリーシートなどの提出書類、面接やプレゼンテーションなどで、適性や意欲などを総合的に評価する方式です。特殊な試験形態となっている場合もあり、試験に特化した対策が必要になります。他の形式に比べると学習意欲や明確な目的意識などを重視する傾向があります。原則専願で、合格した場合は必ず入学しなければいけません。入試の時期が非常に早く、出願から試験までが9~10月に行われる場合が多いです。オープンキャンパスへの参加が必須の場合などもあり、事前によく調べておくことが大切です。
【学校推薦型選抜とは】
学校推薦型選抜は指定校制と公募制に分かれています。
指定校制は、従来のイメージ通りの推薦入試であり、高校ごとに枠が決まっており、高校ごとに決められた条件を満たせば出願できます。合格率が非常に高いことが特徴です。試験内容としては面接や小論文が多いです。また、指定校制は原則専願で、合格した場合は必ず進学しなければいけません。
公募制に関しては、指定校制のように高校ごとの枠があるわけでなく、大学側の出願条件を満たし、高校長の推薦があれば誰でも出願できる入試です。選抜方法としては、高校の調査書・小論文・基礎学力試験・面接などがあり、様々な方式で評価されます。一般入試と同様に不合格者も出るので、しっかりと対策が必要です。公募制では、大学の学部学科ごとに専願の場合と併願の場合が分かれており、併願の場合は他大学の受験も可能です。高校ごとにルールが異なりますが、公募制の推薦型選抜で複数の私立大学を受験するケースも増えてきています。小論文等の対策が必要な場合はありますが、基礎学力試験等は一般入試に比べると問題が易しいので、出願条件を満たしている場合、受験することをお勧めします。
【国公立大学入試について】
国公立大学入試でも同様に、総合型選抜や推薦型選抜は増えています。しかしながら、プレゼンテーションや口頭試問など特殊な試験形式も多く、一般入試よりも難しい試験になっていることも多いです。推薦型選抜には共通テストを課すものと課さないものがあります。共通テストを課すものに関しては、共通テストの点数が評価の中心になっている大学が多いので、共通テストで良い点数が取れた場合、合格率が上がります。第一志望の国公立大学の受験機会が単純に増えるので、お勧めの制度です。しかしながら、出願条件に高校の評定平均4.0以上等の条件がある場合が多いので、学校の成績にも注意しておく必要があります。全体としては、総合型選抜や推薦型選抜は狭き門になっている場合が多く、従来通り共通テスト対策や二次試験対策を中心に勉強を進める形になります。
後編へ続く