【令和7年度(2026年度)共通テストについて②】

 では共通テストの変更点に話を移しましょう。今回は数学についてです。

 出題科目は数学①として「数学I、数学A」「数学I」、数学②として「数学II、数学B、数学C」の2科目になります。従来は数学①として「数学I、数学A」「数学I」、数学②として「数学II、数学B」「数学II」「簿記・会計」「情報関係基礎」でした。見た目で大きく異なるのは、数学②の「簿記・会計」と「情報関係基礎」の廃止と「数学C」の追加でしょうか。時間は数学①、数学②とも70分になります。数学②は従来から10分増です。数学①に揃えた形です。

 内容についても見ていきます。ここではほとんどの生徒が受験する「数学I、数学A」と「数学II、数学B、数学C」に絞って、従来からの変更点をお伝えします。

 まず「数学I、数学A」ですが、大きく変わるのは「数学A」部分です。今までは[場合の数と確率][整数の性質][図形の性質]の3問から2問選択だったのが、新課程では[場合の数と確率][図形の性質]の2問必答になります。つまり、「数学I、数学A」は選択問題なしの5問必答になるということです。これは、共通テストでしか入試に数学を使わない生徒にとっては、「数学A」の[数学と人間の活動]のところは学習する必要がないことを表します。高校でも扱わないところが出てくるかもしれません。もちろん、二次試験で数学を利用する生徒は勉強してください。特に難関大学では頻出の分野です。

 次に「数学II、数学B、数学C」です。これも変更があるのは「数学B」、「数学C」部分です。今までは「数学B」の[ベクトル][数列]が2問必答だったのが、新課程では「数学B」の[数列][統計的な推測]と「数学C」の[ベクトル][平面上の曲線と複素数平面]の4問から3問選択という形に変わります。つまり、従来の「数学II、数学B」は選択問題なしの4問必答だったのが、新課程の「数学II、数学B、数学C」は6問から5問選択になります。これは文系の生徒であっても、「数学C」がほぼ必修になることを示しています。少なくとも[ベクトル]か[平面上の曲線と複素数平面]のどちらかは学習する必要があります。今までも[数列][ベクトル]は必修だったことを考えると、実質的には[統計的な推測]が新たに増えたと考えることもできます。もちろん、[平面上の曲線と複素数平面]を学習しても良いですが、従来の「数学III」の内容にあたるので、少し難易度が高いかもしれません。

 数学については以上になります。【令和7年度(2026年度)共通テストについて③】では社会についてお話しします。

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