令和4年度(2023年度)現在高校1年生のみなさんから高校の学習指導要領が新しくなっています。いわゆる新課程です。それに伴って、大学入試共通テストにも変化があります。どこが変わるのか、現時点でわかっていることをお伝えします。
まず課程そのものの変化からお伝えします。
ひとつは数学の科目の変更および再編です。従来の「数学I」「数学II」「数学III」「数学A」「数学B」(「数学探求」)の5(6)科目から、「数学I」「数学II」「数学III」「数学A」、「数学B」「数学C」の6科目になりました。「数学C」という名前の科目が久々に復活です。単位数の合計は従来と変化ありません(「数学探求」を除いた場合)。「数学III」が5単位から3単位に減った分、2単位の「数学C」が新設された感じです。ただし、後述しますが文系の学生にとっては多少負担が増える可能性があります。各科目の細かい内容や従来との違いは割愛しますが、ざっくり言うと、「統計的な推測」がほぼ必修になったというのが大きな変化です。この単元は従来の「数学B」にもありましたが、ほとんどの学校では授業を行っていませんでした。新課程では共通テストでほぼ必答になるので、学校でも普通に扱うことになりそうです。
ふたつめは社会の科目の変更です。従来の「日本史A」「日本史B」「世界史A」「世界史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」から、「歴史総合」「日本史探求」「世界史探求」「地理総合」「地理探求」「公共」「倫理」「政治・経済」に変更されました。内容として目新しいのは「歴史総合」で、従来の高校社会にはなかった日本史と世界史の融合になっています。扱う時代は近代以降なので「日本史A」と「世界史A」が合わさったような科目になっています。
みっつめは情報の必修化です。正確には従来から「社会と情報」「情報の科学」のどちらかは必修だったのですが、共通テストの科目として「情報I」が採用されることになり、重要度が大きくなりました。その他、国語や英語の科目名変更などもありますが、以上3点が共通テストの変更に大きく関わってくる内容になります。
共通テスト自体の変化については【令和7年度(2026年度)共通テストについて②】でお話します。